2021 OHArchitecture

淡路の温浴施設

Project

開かれた連続屋根

国営公園で最初に計画認定されたPark-PFI事業で、兵庫県淡路島の国営明石海峡公園内に計画した複合温浴施設です。神戸三宮からも車で30分とアクセスが良く、山と海が広がる風光明媚な場所ですが、ここは昔、関西国際空港の埋め立て地用の土取場になっており、一度自然が失われた場所でもあります。このような公園内において淡路島らしい風景を紡ぎ、人々に開かれた場所を作るべきだと考えました。それは公園の休憩小屋や淡路島の玉ねぎ小屋のように、壁がなく屋根だけで出来たような屋根の建築です。そのような公園と連続するような軒下空間を作ることで、水平的なつながりをもつ外部環境と調和する在り方を目指しました。  

建物は分棟にし、コート(公園)と建物をクラスター状に配置することで、海とコートと空間が一体になった建物群とします。各建物は6mスパンごとに分け、それぞれ高さが異なる屋根を重ねることで、隙間から光や風を呼び込む形状としており、分節された屋根が集まることで、統一感のある風景に馴染む建ち方としました。

断面計画的には、お風呂とプールエリアの床レベルを1.5m上げ、GLレベルの公園利用者と一定の距離感を図りつつ、海への眺望を確保しています。構造的にも基礎底が支持地盤の高さになり、床下を設備ピットとして利用。そこに温浴施設に必要な多くの設備配管や機器を納めることで、屋根を軽く薄くしています。そうすることで、柱も細くなり、景色を邪魔しない開かれた空間を実現しています。

淡路島の土を使って淡路島で作られた瓦や瓦タイルを内外装・家具に使用し、淡路島らしい佇まいと内外が一体に続いていく空間を志向しました。そうすることで、過去に失われた土を瓦という形で再生したこの建物群が、新たな風景と人々の営みを構築していく未来を願っています。

More Photos
2022.06.21

雨の中の確認

今週は検査ウィークで連日の淡路島です。商業施設など大きな規模になると、消防、危険物、ガス、下水、確認申請、省エネ、バリアフリーなどなど、行政や第三者機関の検査があります。これは、不特定多数の人々が利用する施設に対して、安全に利用可能かどうか判断してもらう最後の重要な手続きです。
なんとか検査を乗り切ったので、これからの引き渡しとオープンに向けて、引き続きスピードを緩めず、邁進して行きます!
※現場近くから、以前設計した建物が霧に包まれていて、幻想的でした。

2022.05.18

屋根とゆう焼けと海

2022.04.27

海に開く風景

2022.04.14

重なる屋根

2022.03.30

手仕事のある仕上

2022.03.16

設備機器と瓦

2022.03.07

風景の構築

2022.02.02

瓦の風景

2022.01.20

眺望を活かすスリムな柱

2021.12.22

黒い光の床?

2021.12.01

見えなくなる風景

2021.11.16

屋根だけの建築

2021.11.06

テナント設計も一緒に

2021.10.22

遺跡のような凸凹

2021.09.22

コンクリート打設

2021.09.10

空と海とプール

2021.08.06

カラフルなしるし

2021.07.28

基礎と岩石と瓦

2021.06.08

長すぎる地縄

2021.04.09

絶景の現地確認

2021.03.17

原寸大で検討します

2021.02.05

1.5mの模型でプレゼン

2020.11.20

国交省のプレスリリース

2020.07.21

基本設計を変更することに!

2019.09.05

模型でプレゼン

2019.05.25

国営公園初のP-PFI事業