2021 OHArchitecture

大阪町の店舗

Project

継承する町家の残像

敷地は京都市内、町家がまだ建ち並ぶ旧市街地に位置し、間口約4m、奥行き約17m、俗にいう典型的なうなぎの寝床と呼ばれる場所に、アパレルショップとそのオフィス機能とストック機能を盛り込む事が求められました。

まずはじめにこの敷地を訪れた時、トタンの壁に3方囲まれた異様な姿が目にとまり、それはこれまで長年建っていたであろう町家の形が浮かび上がってくるような周辺環境でした。

歴史から考えると100年前後の間、建っていた建物がある日突然このようなトタンに囲まれた場所になる事、連棟町家が多い京都市内では、建物が建て替わる数か月間よく目にする光景なんだと、町を歩いていると気づきました。この町家の残像のような瞬間は、今まで長く建っていた建物が、新しく建て替わる建物への継承の瞬間なのかもしれません。

この感覚をどうにか受け継ぐようなつくり方ができないかと考え、まずは3方のトタン壁を測量することにしました。当然ですが隣地に中庭があるところにはトタン壁がなく、建物があるところには切妻形状のトタン壁が存在し、北面と南面でも形にわずかな差がありました。普段設計する際、眺望や日当たり等の周辺環境を読み解くように、今回はこのトタン壁のアウトラインこそが周辺環境であり、そこに存在した町家の残像に従いながら、内部空間を設計してゆけばこの建物の移り変わりを継承していけるのではないかと考えつきました。手法はごく簡単で、トタン壁を敷地内にオフセットしたコンクリートの壁に、屋根を架け、床をはってゆきます。テラスや庭のボイドが隣地のヌケと連続し、そこから気持ちの良い光や風を内部空間に享受する事ができます。
時が経ち、隣地の建物が建て替わる時、そこに現れるコンクリートの壁が、町家の残像として継承されてゆきます。結局はこの継承こそが、京都の密集した旧市街地で豊かな空間を手に入れるカギであると言え、いち建物の設計が、空間の履歴をゆるやかに引き継ぐ良きまちの新陳代謝となっていくことを願う。

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