2021 OHArchitecture

和泉町のオフィス

Project

和泉町のオフィス

京都市内の町家をオフィスとして改修するプロジェクトです。

敷地は京都市内の町家が立ち並ぶ一角に位置し、オフィススペース(10席以上)と打合せスペース、キッチン、そして京都らしいファサードとすることが求められました。

まず既存の建物を見に行った時、これまでここに暮らしてきた人々の手で増築を繰り返された躯体は印象的でした。そしてこの増築されたであろう2階の突き出した天井から差し込む光は後ろ、両隣と外壁を共有する町家ならではの光のとり方だと思いました。

そこで、このような淡い光が建物内に寄り添う事と、要望でもある京都らしいファサードとが上手く組み合わせることができるのではないかと考えました。

手法はとてもシンプルで、ファサードは2階軒下からほぼ地面まで出入口以外すべてを格子で覆います。昼間は東側からの柔らかい光がまんべんなく建物内に差し込み、夜は格子を介して中の光が町にあふれだす場面もこの街並みの中では新鮮です。
また既存の柱位置に従った出入口部分はゲートとして見立てたフレームを建物に挿入することで、打合せスペースとキッチンの機能を柔らかく分け、オフィス部分は既存の躯体の隙間から光が差し込みます。

今後、町家に関わらず建物は増築・改築・減築など手を加えられることは必ずあります。
その中で過去の在り方を受け入れながら、次の価値を見出していくことで町家は受け継がれていくのだと思います。

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2021.04.14

小さな金物

工事も着々と進み、階段の手すりを付けるための金物が設置されました。

最終的には見えなくなってしまう部分ですが、こういう細かい仕込む部分を考えることで仕上がりががらっと変わると思います。

2021.02.20

ファサードの納まり

2021.01.21

現場解体