解体工事がひと段落し、木工事がスタートしています。
既存のALCの壁を部分的に解体し、広い空間をゆるくゾーニングする多孔質な壁として残しています。
既存の壁をぬうように床造作の下地を施工してゆきます。既存の壁と新設する床との取り合い等の確認を現場で行いました。
リノベーションの現場では何を残すのか、何を解体するのか、そこが醍醐味でもあります。今回は既存の壁の下地をきれいに解体せずに、その形を残しその上から吹き付けの塗装をしています。まっさらにきれいにせず、もともとの経緯や歴史をつむいでゆきながら、施設として息を吹き返すことを願います。

実施設計も一度完了し、ここから予算と細かな納まりを調整してく段階となりました。
現在現場は、既存の間仕切り壁に一部開口を開けていただきました。
開口があることで、そこに境界があるという事が認識できるんだなと改めて感じられます。
境界は複数の空間がせめぎあっている中に存在し、その境界行き来することが、この場所での体験をより豊かにするのだろうと信じて設計しています。

働くことと体をうごかすこと。
コロナ前はなかなか共存しえなかったプログラムが、今は共存し得ることはたくさんあります。
地方でリモートワークができるからこそ、仕事とシームレスにつながる運動や遊びが可能になります。
この施設もその一つです。
workとgymでワークジムと名前を付けた楽しい場所の提案をしてきました。

淡路島の西海岸沿いに建つ建物の現地調査でした。
現在は使われていませんが、当時は従業員さんの寄宿舎になっていた建物で、窓から見える海や夕日を臨む暮らしがそこにあったんだろうなとなんとなく感じる部分がありました。
ここで、体を動かしたり、自然豊かな場所で仕事したり、地元の子供が宿題したりと、さまざまな静と動が共存し時間と場所を共有する場所に、今回新たに一新するプロジェクトです。
既存建物はパネル状の壁（ALC板）と画一的に設けられた窓が連続する室内空間でした。
部屋の中から外を見た時、窓から隣の窓へと外の景色が連続し、無限に広がるイマジナリーな景色が印象的でした。
しかし何かと縁がある淡路島。
まわりに広がる昔ながらの町、淡路島の海山川といった自然、魅力ある場所で、新しいアクティビティとコミュニティを生み出す場を創造してゆきます。